印鑑の選び方
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手彫り印鑑

印鑑が必要になっても、どんなはんこを選ばいいかわからないと思います。それは皆さん同じです。
印鑑は、手彫りの物が基本です。なぜなら機械彫りだと同形のものができるので認証できないからです。
ネット上でもそうですが、手彫りを売りにしているお店はありますが、本当に手彫りなのでしょうか?
現実は、90%以上のお店は、本当の手彫り印鑑ではありません。
彫り方の違いや種類
安価なお店の場合

安価なお店に多いのは、文字を知らない、書けない。印刀が使えないので機械のみで、お客にお渡ししてる店。
次に、字入れはせずにフォントを使用し、機械で彫刻してるが、少しは刀を入れている店。手仕上げといってる店は近年は増えています。
上記の店の印鑑は、ほとんど既製品と変わりなく、同型印ができる可能性高く、偽造も簡単にでき、危険な印鑑です。大事なものには、絶対に使用しない方が良いでしょう。
機械で制作しているお店の場合

字入れは、手書きではないが、フォント(文字)を修正して機械で彫刻し、仕上げを刀でしている店。これが最低限の印章店の責任です。
荒彫りは、機械で彫刻してるが、文字もフォントではなく、自分で書い(字入れ)て、仕上げを刀でしている店。昔は、これが普通のお店でした。
ある意味、この段階で使用可能な印鑑です。
上記の店で、機械での荒彫りの後、再び印刀で、荒彫りをし、
仕上げした後も浄刻を施すと機械を途中で使用していますが、
手彫り印鑑といっても問題ない内容です。
具体的な違い

安価なお店や機械で彫刻し仕上げは刀のお店は印章の大切さ、唯一無二さを認識していないのか、商売優先になってる店です。広告には力を入れていますし、優れていますので目にする機会は、多くなります。
印鑑の重要性から見れば、買わない方がよいでしょう。
はっきりと言えば、安価な既製の認印と同じレベルなのですからね。
よい印鑑を選ぶためには、機械を使うが他は自分でやっている店や手彫りの店を選ぶことが、第一歩です。
違いは、荒彫りです。近年の職人はこの基本行程をおろそかにします。
手先の感覚や文字の感覚を養うためには、絶対に必要な行程です。
また、細い文字や枠(外郭)など刀での荒彫りをすることにより、
土手部ができ、丈夫な印鑑になります。
仕上げを行う際も荒彫りのレベルで筆意や切れが、変わります。
印相、吉祥印の要素が必要だと思う人も多いと思います。
実は、違います。
一般的に印相体と呼ばれてますが、てん書の変形なのですよ。
大半は、吉祥の言葉や画数などで、彫刻技術や文字知識の無さや手間をごまかしているものが、90%以上を占めています。
ほとんどが、印相印といわれるタイプの印鑑で、字が間違えているものがとても多くあります。
ここで、大切になることが文字(てん書体)が書けることが、必要条件ですね。
考えればわかると思いますが、『書けるから彫れる』のですよ。
良い印鑑を選ぶには?
よい印鑑を選ぶには、まず、手彫りタイプの店や機械を使うが他は自分でやっている店に話して色々と疑問点など質問して説明してもらうとその店の知識レベルが少し判りますし、希望などをよく話、印稿を書いてもらうのが良いですね。しかも違うタイプの印稿を何種類かお願いすることですね。印相体ではなく、小篆(しょうてん)や印篆(いんてん)の印稿をお願いすると良いです。フォントだといかにも機械の文字らしく味わいの無いものとなりますし、バリエ-ションが、少ないですからね。
良い職人は、こだわる人は、好きです。なぜなら、良い職人は、印鑑にもこだわりをもって作品として作製しますからね。だからこそ、こだわって印鑑を探している人の希望には答えてくれますよ。
最後に印鑑の一番大切な要素をお話します。
印鑑は、印本体ではなく、印影が本人の信用や所有標章を表します。だからこそ、唯一無二のものでなければ意味をなしません。
私が文字にこだわるのも、印鑑は持つ人の顔となるからです。
文字も知らず、画数や接点だけに目を向け、誤字にも気づかない印鑑店が多くあります。また、機械に頼り、本物の手彫りの大切さを無視し、商売だけ考えている店も多いです。そのことを知った上で印鑑を選んでくださいね。
また、多くの人が誤解していることですが、太い文字の印鑑や沢山の文字が詰まっている印鑑は、美学に欠けますし、歴史的には異端です。
朱文は細く、白文は太くが基本です。そのような基本的知識のない人が、広めたのですよ。
手彫りと機械
この違いとは...
印を捺印しても写りにくい、きれいに押せないことが多いと思います。
それは、押し方の問題よりも印そのものの印面が、平らに調整されていないことが原因です。平らにするのは、簡単なように思いますが、実は、大変年季のいる技術なのですよ。
だから、技術の無い店の印鑑は、きれいに捺印できないのです。
機械彫刻のみの店は、技術がないため印面調整が、できないか、未熟なレベルなのできれいに捺印できないのです。
手彫りの店は、素材によって印面を調整したり補正したりするのできれいに捺印できるのです。
次に大切な文字ですが、機械彫り(印鑑の選び方のABのタイプの店)の場合、フォントを使いますので、均一な無個性で機械的な曲線、直線の文字となります。




画像では、刀のキレなど少し判りにくいとは思いますが、文字が生き生きしてるかどうかは、すぐに判ると思います。
一見、線の太い、機械彫りの方がボリュ-ムがあって力強いように見えますが、
よく見れば、朱の強さで誤魔化し、文字自体は弱々しく無機質なことが判りますね。朱白のバランスも悪く、窮屈に見えると思います。
この印影は、朱の色合いが違うように見えますが、実は全く同条件で捺印したのですよ。兵庫県の冊子(匠の技見聞録)の取材時にその場で、同じ紙に同じ印泥で捺印したのですよ。
発色も違いますし、機械彫りの方はぼやけて見えると思います。皆様が、捺印するともっと違いが出てくるのですよ。
それは、彫りの違いで線の際が、生きてるのと死んでいるのとの違いからくるのです。
また、何よりも問題なのは、フォントですから同型印がいくらでも作れるのです。
想像力のある方なら判ると思いますが、印相印の多くは、文字が上手く書けない、荒彫りができない人が、それを誤魔化すための書体なのです。
細く空間をとった文字ですと、素人の方でもバランスの良否や切れ味などが判ってしまうからです。
仕上げの刀の切れ味を誤魔化すには、文字を太くして朱の強さで誤魔化すしかないのですよ。
したがって手彫り印鑑と言ってる店でも太い文字や印相、吉相印をメイン看板にしている店は、98%文字知識も彫刻技術も劣る店です。
次に彫りの違いを説明します。
機械彫刻ですと彫りは、垂直に針が降りて彫刻するので文字には土手ができません、太い文字には、問題ありませんが、細い所や枠などは、土手がないので弱く、欠けやすくなります。
手彫り印鑑ですと印刀で彫りますので、文字の太さに合わせて土手部を加減できますので強いものができます。
また、荒彫りでぎりぎりまで彫る技術がある職人ですと、仕上げの切れも筆意も字法に則った素晴しいものになりますし、手書きで文字を入れますので章法に則り、バランスのよい、文字配分となるのです。
このことを知った上で印鑑を選ばれると良いと思います。